イギリスのパブは生活の一部

パブはイギリスの伝統的な生活の一部となっています。

public house公共の家、すなわち歴史的な種類のコミュニティセンターの略です。

パブは、イギリスの生活には欠かせない伝統的な文化と言えます。パブでは家族、友人、見知らぬ人との社交の場であり、リラックスして飲むことのできるスペースでもあります。もちろんアルコールを飲まなくても、気軽にパブを楽しむことができます。日本では、このような場所はないでしょう。日本でパブと言えば全く違うもの・・・になってしまいますね。

近年、ビールの価格上昇のために、利用者が減少して多くのパブの閉鎖につながっています。しかし、調査によると、英国の成人の3分の2が時々パブを利用していると言われています。

パブは、重要な社会的機能を持つ場所となっています。 集会所として、リラックスする場所として、人々が飲んだり話したりする場所として。カードやダーツやビリヤードのようなゲームをする場所として活用されています。

イギリスには非常に古いパブがたくさんあります。最も古いのはノッティンガムのパブ「エルサレムへのオールド・トリッペ」で、その名前は十字軍が頻繁に訪れた宿だった中世にさかのぼると言われます。古いパブは主に田舎や歴史的な市内中心部にあります、パブがそんなに古くないときは、実際よりも古く見えるように天井やオーク材の家具、照明などを改築します。

田舎では、多くの古いパブは、旅人のための造りとなっています。ベッドルームだけでなく、バーも併設されています。

イギリスのパブ(Pub)の歴史

そもそもパブは、旅行者のために飲み物や宿泊施設を提供するために造られました。道路に沿ってタベルネーと呼ばれる旅館を持っていたローマの道路システムの導入でローマ時代、すなわち1世紀にローマ人がブリテンを占領したころにさかのぼります。

「公共の家」としてのパブの発達する前は、「イン」や「タヴァン」、「エールハウス」という名前をもつ施設が11世紀から13世紀頃にイギリスに誕生していました。

そして、1868年の文献にパブという言葉が使われた最初であるとされています。この当時は、”public house”(公共の家)の名の通り、町の中の便利な社交場として存在していました。

しかし、現在のロンドンなどのイギリス都市部のパブはいわゆる居酒屋の機能しか持っていません。イギリスの地方の町のパブには、クリケット場を併設されて、「公共の家」の名残を持つものも多くあります。また、最近ではロンドンでサッカーなどのスポーツ観戦のためには高額な衛星放送に加入しなければいけないので、パブに設置された大型テレビなどで友人と共にスポーツ放送を見て休日の午後を過ごす風景が普通になっています。

イギリスのパブの数と有名どころ

イギリスには約50,000のパブがあります。そのためにパブによってイギリスでは60万人以上の人々を雇用しています。ロンドンでは学生アルバイトをよく見かけますね。

イギリスの有名なパブを紹介しましょう。

レッドライオンは英国で最も一般的なパブ名で、クラウンとロイヤルオークが続きます。

イギリスで最も古いパブは、ホーリーウェルのオールドフェリーボートと言われています。記録ではアルコールが早くも西暦560年で提供されたことを示しています。

ギネスブックによって最も古いものとされているパブは、セントオールバンズのYe Oldeファイティングコックで、795年以来そこにあったことを証明する文書が存在しているそうです。

ノッティンガム城の下にあるエルサレムへのYe Olde Tripは、1189年以来、城の醸造所がサイトを占領し、基礎の一部が1070年にさかのぼることを証明する文書が存在します。

人口当たりのパブの数

ウェールズ中部のラヤダーの町には、2,075人の住民につき12のパブがあり、一人当たりのパブが最も多いところです。続いてエセックスのマニングツリーは、900人の住民につき5つのパブがあります。

イギリスのパブで飲んだり食べたりする

基本的なオーダーの仕方

パブは日本のファミレスなどとは違います。パブにはテーブルサービスがないということです。ですから、暖炉の近くで暖まりながらあるいは、美しい夏の日に外に座って、バーテンダーが来て注文を取るのを待つのを期待しないでください。基本はバーカウンターに行き、注文を出し、飲み物をグラスに記されているラインまで注いでもらい、飲み物を持ってこぼさないようにテーブルに戻るのは、自分でしなければなりません。

食事も同じようなシステムです。つまり、バーカウンターで注文する必要があります。その後出来上がったら注文番号が呼ばれ、トレイを取り、食事を自分でテーブルに運びます。大きなパブでは、バーマンが自分のテーブル番号まで持ってきてくれます。

最近では、バーカウンターまで行かなくてもテーブルに座ったままスマホで注文して自分のテーブル番号を入力して、オンライン決済すると、注文の品を持ってきてくれます。便利になりましたね。

一般的に言えば、パブでは、食べ物や飲み物は、食事が終了した後ではなく、注文されたときに、バーカウンターでキャッシュあるいはカードで事前に支払います。一方、旅館に宿泊して、階下のバーで飲み物や食事をする場合は、請求書に追加してもらうことができます。

ビールのオーダーの仕方

通常のサイズのビール(約250ミリリットル)を飲みたい場合は、「ハーフパイント」をオーダーします。「パイント」のオーダーは、1パイント(500ミリリットル)です。お好みのエールやラガーのビールの名前を言って注文しますね。例えば、「テアケストーンのパイントとハイネケンの半分」のように言います。「Please」を最後に言うのをお忘れなく。

また、パブはビールを出すだけではありません。冷たいアルコール飲料やノンアルコール飲料を含め、飲みたいものはほとんど何でも注文できます。そう、コーヒーも注文できます。

あなたはチップを残していますか?

通常、英国ではバーのスタッフにチップを渡しません。あなたが感謝を言いたい場合は、彼らに飲み物を買うことを申し出てください。その後、飲み物を受け入れるか、チップを渡すこともできるでしょう。

パブで提供されるエール、ビール、ラガー、その他の飲み物

伝統的なエールについて

田舎のパブでは、伝統的なクラフトビールのエールを提供します。

一般的に、パブはこのような「クラフトビール」を飲む場所と考えられていますが、この30年間で多くのことが変わってきました。国際的でしかも大量に生産されたラガーと呼ばれる下面発酵のビールがエールを上回って消費されるようになりました。伝統的に暗いまたは琥珀色で炭酸の少ない上面発酵のエールをしのぐようになってきたのです。

しかし、1960年代に多くの醸造所によって始まった「本物のクラフトビール、エール」のキャンペーンと共に、大規模および中規模のイギリスの醸造所は現在、生産体制を改善し、時代のニーズに適応させ、伝統的な自然発酵エールの生産に戻ってきたのです。

今日、ほとんどのパブは、大きな多国籍の醸造会社によって大きな工場で大量に生産された有名なブランド名を持つ他のビールやラガーと一緒に、「本物のエール」を提供しています。

本格的なパブ体験したい方は、ロンドンから出て田舎町の地元産の「本物のエール」のために旅行したらいいでしょう。

イングランド南部でよく見られるいくつかの「本物のエール」を挙げてみます。アボットエール、ロンドンプライド、テアクストーン、オールドスペックルドヘン、ブレイクスピアレ、グリーンキングIPA(IPA とはインドペールエールの略称で、以前はコロニーに輸出された最高のビールを表わすものでした)スピットファイア、アドナムスなど。

気を付けるべきパブとは

多くのパブが地元のコミュニティのためのハブであり、仲間と会って語り合う場所となっていることがわかります。たとえば、一部の人々は音楽の特定のジャンルの会場として用います。また、夜にクイズのために集まることで知られているパブもあります。

特定のスポーツを見るため、イギリス発祥のスポーツであるサッカー(イギリスではフットボールと言います)のために、特にお気に入りのサッカーチームをサポートするために集まる場所として知られているパブがあります。もしそこで、お気に入りチームではないほうを応援すると、雰囲気が悪くなること、間違いありません。行く前にその辺をきちんとチェックしておく必要がありますね。

また、あるパブは、「オージー(オーストラリア人)や「キウイ」(ニュージーランド人)などの特定の国籍のたまり場として知られています。そのような見知らぬ人と会話するのであれば、よく知っている人を伴って行くといいでしょう。

しかしながら、イギリスのパブ文化の素晴らしい点の1つは、見知らぬ人との会話を始め、新しい友達を作ることさえできることです。イギリス人がよく話題にする天気のことやお気に入りのサッカーに関することで、簡単に会話が弾むことでしょう。

また、ニュースや政治など、より重い会話になることもあり得ます。トピックが何であれ、ぜひ会話に参加してみてください。せっかくパブに入ったのであれば、チャレンジしてみてくださいね。それは楽しいひと時となることでしょう。

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